Communication Market in Japan 2019



日本のマーケティングコミュニケーション市場
Communication Market Japan

      2019

デジタルやイベント領域を追加し2019年の広告費は6兆9381億円、前年比106.2%
2018年発表と同様の推定では、6兆6514億円(前年比 101.9%)
インターネット広告費が初めて2兆円を超え、テレビメディア広告費を上回る。



㈱電通が2020年3月に発表した2019年「日本の広告費」は、日本国内で暦年1年間(1~12月)に使われた広告費を、媒体社や広告制作会社などの協力を得ながら推定したもの。昨年から「マス媒体由来のデジタル広告費」項目(※)が追加された。

(※)マスコミ四媒体由来のデジタル広告費とは、マスコミ四媒体事業社などが主体となって提供するインターネットメディア・サービスにおける広告費のこと。新聞デジタル、雑誌デジタル、ラジオデジタル、テレビメディアデジタルのことで、これらのデジタル広告費はマスコミ四媒体広告費には含まれない。なお、テレビメディアデジタルの内訳である「テレビメディア関連動画広告」は、キャッチアップサービスなどインターネット動画配信における広告費のことを指す。

  

  

総広告費の推移

2019年(1~12月)における日本の総広告費は前年比106.2%の6兆9381億円で、2012年から8年連続で前年実績を上回る。 日本の広告費は大きく露出領域により「マスコミ4媒体広告費」「インターネット広告費」「プロモーションメディア広告費」に分類しているが、それぞれの構成比は、マスコミ4媒体が37.6%、インターネットが30.3%、プロモーションメディアが32.1%となった。
マスコミ4媒体のうちテレビメディアは26.8%で、2014年以来2桁成長を続けるインターネット広告の構成比が、テレビメディアの構成比を上回った。

■新聞、雑誌、テレビ、ラジオのマスコミ4媒体広告費は、前年比96.6%の2兆6094億円。内訳は、新聞が、雑誌、ラジオ、地上波と衛星メディア関連を合わせたテレビメディアいずれも減少している。
■インターネット広告費(媒体費+広告制作費+「物販系ECプラットフォーム広告費」)は 6年連続で2桁成長を遂げた。インターネット媒体費は前年比114.8%の1兆6630億円。制作費は前年比107.9%の3354億円となっています。今回追加推定した「物販系ECプラットフォーム広告費」は1064億円、参考値であるが、前年比は129.4%程度とみられる。特に媒体費は、大型プラットフォーマーを中心に堅調な伸びが続いている。そのうえで、後述する「マスコミ4媒体由来のデジタル広告費」や、今回追加推定の「物販系ECプラットフォーム広告費」が、広告費全体をさらに押し上げる結果になった。
■プロモーションメディア広告費は、前年比107.5%の2兆2239億円であったが、これには2019年から推定範囲を増やした「イベント・展示・映像ほか」の増加分「イベント」も含む。その増加分を抜きにしても、「屋外広告」「交通広告」「展示・映像ほか」が純増。 交通広告は紙媒体の落ち込みをデジタルサイネージでカバーする傾向が続く。2019年は特にタクシービジョン市場が急速に拡大している。
-出典:2019年 日本の広告費
-source:Advertising Expenditures in Japan Expanded to 6,938.1 Billion Yen in 2019

 


日本市場データ

Market Data of Japan

2019年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析

出典:㈱ 電  通

わが国の2019 年の総広告費、6兆9,381億円のうち、「インターネット広告費」は、全体の30.3%、2兆1,048億円(前年比119.7%)を占めています。そこから「インターネット広告制作費」および「物販系ECプラットフォーム広告費」を除いた「インターネット広告媒体費」は、1 兆 6,630 億円(前年比114.8%)となっており、成長を続けています。
成長は緩やかになるものの、インターネット広告媒体費は継続して伸長し、2020年には全体で前年比111.0%、1兆8,459億円になると予測。
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In calendar year 2019, advertising expenditures in Japan totaled 6,938.1 billion yen. Internet advertising accounted for 30.3% of advertising expenditures, having grown 19.7% compared with the previous year, to 2,104.8 billion yen. After excluding Internet advertising production costs and advertising expenditures for Merchandise-related EC Platforms, Internet advertising media expenditures amounted to 1,663.0 billion yen (up 14.8% compared with 2018), exhibiting continued robust growth.

In 2020, Internet advertising media expenditures overall are forecast to grow 11%, to 1,845.9 billion yen

インターネット広告費の推移

 

「2019年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」のポイント
 Detailed Analysis of Expenditures on Internet Advertising Media

1.ビデオ(動画)広告が前年比157.1%の3,184億円となり、大きく伸長
インターネット広告媒体費全体を広告種別の構成比でみると、ビデオ(動画)広告が約20%を占めるまでに成長し、前年比157.1%の3,184億円となった。また2020年には前年比113.0%の3,597億円になると予測。
Video advertisements grew a substantial 57.1% compared with the previous year, to 318.4 billion yen.

ビデオ(動画)広告が大きく伸長

2.運用型広告が全体の約80%を占め前年比115.2%と成長、予約型広告も前年比117.4%と2桁成長
取引手法の主流となっているのは運用型広告で、全体に占める割合は79.8%に上る。次いで予約型広告が全体の13.9%を占めているが、いずれの取引手法も前年比で2桁成長となった。
Performance-based advertising, accounting for approximately 80% of the total, grew 15.2% compared with the previous year; reserved advertising also achieved double-digit growth of 17.4%.

手法別構成比

3.ソーシャル広告は4,899億円で、イン¬ターネット広告媒体費全体の約30%を占める
SNSや動画共有プラットフォーム上で展開されるソーシャル広告は前年比126.0%の高い成長率で推移し、インターネット広告媒体費全体の29.5%を占める4,899億円となった。
Social advertising amounted to 489.9 billion yen, accounting for 30% of overall expenditures on Internet advertising media.

プラットフォーム別構成比

出典へ日本語ENGLISH

 

日本の人口:1億2616万7000人(2019年10月現在)

総務省は2020年4月14日、2019年10月1日時点の日本の総人口の推計(在日外国人を含む)を発表した。前年に比べて27万6000人(0・22%)減の1億2616万7000人で、9年連続の減少となった。

  

2019年グローバル市場の動き

S4Capitalのプレゼンテーション資料に見る海外のメディア市場

世界のメディア別広告費の推移

  

世界のプラットフォーム別広告費の推移

  

縮小する若者消費、1/3が失われた

マクロ経済分析レポート 第一生命経済研究所 2019/12/2


「世帯主20・30 歳代の消費市場は、この15 年間で大きく縮小した。
試算値では、2003 年の47.6兆円から2018 年の31.7 兆円へと▲33.2%、金額では▲15.9 兆円も市場規模が失われたことになる。
若者消費産業の中には、シニアの消費者にシフトした企業もあったが、そこはまさしくデフレビジネスであった。」と分析している。


少子化による若者市場の縮小

世帯主が20・30 歳代の消費総額は、この15 年間で見て、総額は▲33.2%も縮小した計算になるが、その変化を20 歳代でみると、2003 年12.3兆円→2018 年8.8 兆円へ▲28.7%、30 歳代では2003年35.2 兆円→▲33.9 兆円、2018 年22.3 兆円へ▲34.8%と縮小している。
その背景には、世帯主20・30 歳代の構成比は2003 年22.7%→2018 年14.3%と低下しており、少子化によって20・30 歳代の若者人口が減少してしまったことがあると考えられる。


若者の消費性向の低下

20・30 歳代の消費市場が縮小した理由は、少子化だけではない。
1世帯当たりの消費支出も減少している。月平均の消費支出は、2003 年の23.7 万円から2018年の22.2 万円へと15 年間で▲6.3%も減っている(図表2)。
ところが、この間、1世帯当たりの可処分所得は3.8%も増えている。つまり、所得は増えても、消費性向が低下しているため、消費支出は減少している。


家計全体でも、全世帯(含む単身世帯)の黒字率は上昇している。
消費に回す割合を低下させて、貯蓄に回す割合を上昇させている。
20・30歳代は、特に黒字率が他の年齢層よりも高く、20歳代は37.9%、30歳代も37.9%と平均の31.2%を上回っている。
(2018年の家計調査、勤労者世帯の黒字率、図表3)。


負のスパイラル

20・30歳代の消費市場が15年間で▲33.2%も縮小したことを指摘したが、その低下幅のうち▲5.2%は、少子化要因ではなく、黒字率(消費を控える)が上昇したためである。どうして若者がより貯蓄をする傾向を強めたのかは定説はない。
「最近の若者はお金を使わなくなった」という見方はよく耳にする。若者が社会保障や財政運営に不安を持って、不確実性への備えを厚くしているという見方もある。そのほかに、若者は貯蓄好きという見方もある。
20・30歳代の消費市場が、若者の将来不安のために縮小しているとすれば、それは若者が消費市場で働く機会を失っていることになる。不安が現在の所得・雇用を悪化させる「負のスパイラル」が生まれている状況でもある。



シニア市場の特徴

このような状況から市場にはシニア・シフトが起こっている。
しかし、忘れてはいけないのは、シニアの所得階層は、20・30歳代よりもずっと低所得化していることである。確かに、20・30歳代では非正規化が進んだ。それでも、正社員が多いことによって、中高所得層も多くいた。
例えば、世帯年収500万円以上の割合は、20・30歳代は42%である。60歳以上では22%に過ぎない。60歳以上の正社員はほとんど居ないからだ。
特に、65歳以上は年金生活世帯(無職世帯)が多くなり、その約6割が世帯年収350万円以下になる。20・30歳代と65歳以上の所得分布は大きく異なる(図表4)。
このため、例えば外食産業が若者からシニアに顧客をシフトさせたとしても、シニアは所得水準が高くないので、価格設定を大幅に引き下げなくてはならなくなった。
東京都心の大型商業施設でも、2000年代に開業した時は高価格のレストランやお土産品ばかりだったところは、10年過ぎてみると低料金レストランが数多く増える光景に変わった。
少子化と高齢化は、紛れもなくデフレの原因なのだ。もっと裕福なシニアを増やさない限り、消費の現場のデフレはなくならない。

シニア市場活性化への提言
同レポートは以下の提言で締めくくっている。「裕福なシニアが減っていく理由として厚生年金制度の仕組みがある。政府は、在職老齢年金のようなシニアを貧乏にする悪い制度を速やかに廃止した方が良い。デフレが物価統計の中だけで決まってくると錯覚すると、構造的な低所得化のメカニズムが温存されることになる。」

参考資料:マクロ経済分析レポート:総務省「家計調査」

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